「うちの子は英語がネイティブじゃないけれど、入学できるのでしょうか?」
これは、日本人保護者から最も多く寄せられる質問の一つです。
UWCSEAは世界約100か国から生徒が集まる学校です。そのため、英語を第一言語としない子どもたちが多く在籍しています。一方で、「誰でもゼロから英語を教えてもらえる学校」というわけではありません。
ここを正しく理解しておくことが、学校選びではとても重要です。
UWCSEAの授業は、すべて英語で行われます。
数学も理科も社会も、美術も体育も、学校生活の共通言語は英語です。
そのため、入学時点で一定の英語でのコミュニケーション能力が求められます。
公式サイトでも、
EALプログラムは「初心者向けの英語教育」ではなく、学術的な英語力を伸ばすためのプログラムである
とはっきり説明されています。
つまり、
「挨拶程度しか話せません。」
という状態では難しいということです。
一方で、
という子どもであれば、十分に検討の対象になります。
EALとは、
English as an Additional Language
の略です。
「第二言語として英語を学ぶ子ども」のためのサポートプログラムです。
ここで大切なのは、
「英語を勉強する授業」
ではないこと。
目的は、
通常の授業についていける英語力を育てること
です。
例えば、
理科なら
Observe
Compare
Analyse
社会なら
Evaluate
Explain
Interpret
数学なら
Estimate
Justify
こうした「教科で使われる英語」を学んでいきます。
英会話教室とはまったく違う世界なのです。
幼児クラス(K1・K2)では、
先生が教室の中で自然に英語を身につけられるようサポートします。
Grade1以降になると、
専門のEAL教師による授業が始まります。
さらに高校では、
English for Academic Purposes(EAP)
というアカデミック英語も学びます。
ここでは、
など、大学進学に必要な英語力を身につけます。
永久に受けるものではありません。
英語力が十分に伸びれば、
通常クラスのみで学べるようになります。
子どもによって期間は異なりますが、
数学が得意だったり、
読書が好きだったり、
家庭でも英語を使う環境があると、
比較的早く卒業するケースもあります。

海外移住を考える保護者が必ず心配するのが、
「日本語を忘れてしまわないか」
ということです。
UWCSEAでは、この点にも配慮しています。
UWCSEAには
Home Language Programme
という制度があります。
これは、
「家庭で使う言語」
を維持するためのプログラムです。
対象はK1からGrade12まで。
日本語も正式な対象言語の一つです。
授業では、
などを学びます。
担当するのは日本語を母語とする教員で、少人数で学ぶ形式です。
一昔前は、
海外へ行くと
「日本語は禁止」
「家でも英語だけ」
という考え方がありました。
しかし現在は、
世界の教育研究では、
母語をしっかり育てることが、第二言語の習得にも良い影響を与える
と考えられています。
そのためUWCSEAでも、
多言語・多文化を大切な資産として扱っています。
特に安心なのは、
「英語だけ」
ではないことです。
例えば、
学校では英語、
家庭では日本語、
HLPでは日本語の読み書き、
というように、
自然とバイリンガル環境を築けます。
実際に学校では、日本語のほかにも韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など、多くのホームランゲージが開講されています。これは、「自分のルーツを大切にすること」が学校の理念の一部だからです。
UWCSEAを目指すなら、
「英語が完璧になってから」
と考える必要はありません。
それよりも大切なのは、
です。
そして家庭では、日本語でたくさん会話をし、日本語の本を読み、日本人としての文化や考え方を育てていくことも同じくらい大切です。
UWCSEAは、英語だけを身につける学校ではありません。
「複数の言語と文化を持つことは強みである」
という考え方を、学校全体で大切にしています。
次回は、UWCSEAの教育の核ともいえる
「IB(国際バカロレア)」「Service(奉仕活動)」「Outdoor Education(野外教育)」
について、「なぜ世界中のトップ大学がUWCSEAの卒業生を高く評価するのか」という視点から詳しく解説していきます。
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